Z450。

sabaku_m2008-02-18

今、私の手元にあるシングル8。
以前、日記で写真をアップした原将人監督が見せてくれたタイプより大きめです。
フィルムが入っていない状態でも、重みを感じます。




このカメラを使って、何かできたら…と思っていたのですが、なんと電池の部分に青カビと思われるものが発生していて、取っても取ってもうまく取れず、電池が効かないようです。。残念。


このカビを取る方法はあるのでしょうか。



そして、フィルムのカバーをあけると、
やはりそうなんですね。音楽のカセットテープのように、左⇔右に巻かれるフィルム。



ちなみに↓こちらの写真は、撮影で使用したNikonのR10。
上⇔下にフィルムが巻かれるので、ほぼ正方形なんですね。


改めて、ふむふむと頷きながら学習の毎日です。

レトロ通販。

sabaku_m2008-02-17

以前の日記で、8ミリでの撮影に挑戦したい!と意気込みを書きましたが、8ミリの撮影に挑むにあたって、まずは撮影用のフィルムを買うべく「レトロ通販」に行ってきました。
錦糸町駅から「北斎通り」を歩きながら、通り沿いにある柱には葛飾北斎の絵がところどころにありました。その大通りを歩くこと10分弱、通りを右に曲がって少し歩くとそこにありました、「レトロ通販」。なんとも可愛らしい佇まいでした。

http://film.club.ne.jp/



まず、今回撮影に使用しようと思っているのは、シングル8。シングル8用のフィルムを購入したいことを伝えて、わからないことがたくさんあったので、お店の方に色々とお話を伺いました。

いくつかの種類のフィルムを出していただいたのですが、
私が初心者ということと、まだどんものを撮ろうとしているかをちゃんと決めていないという現状を伝えると、具体的に2種類のフィルムに関して説明をしていただきました。


この2種類のフィルムは、ともに40フィートあり、18コマで撮ると2分30秒ほど使えるということでした。どちらも現像が速い(レトロ通販さんにお願いをした場合)、サイレント、テレシネ向き、というのが特徴だそうです。
ひとつは、RT200N。こちらは室内用。もうひとつは、R25N。こいらは屋外用です。どちらか決めていないという場合は、RT200Nのフィルムを使用して、レンズに85番のフィルターを使うと、屋外を撮影した際に青っぽくなってしまうのを調整することができるというアドバイスもいただきました。

その場で買うには高価で、選択を慎重にならざるを得ないので、(そして、宅急便で送ってもらうには、送料が1000円かかるということで)今日はお話を聞くだけになってしまったのですが、まず、室内で撮影するのか、屋外で撮影するのか、そして、音はつけるのか、つけないのか、上映はフィルムなのか、デジタルにするのか…。いろんなことをしっかり決めてからすぐに注文しなければならないです。

まだまだ、撮影までの道程は長そうですが、頑張ります!

(右上の写真)今日の一枚は、江戸東京博物館。レトロ通販から10分程のところにあり、本日は東京マラソン割引で入場無料になってしました。

創太郎さんとMeriiさん

sabaku_m2008-02-16


ユキエの会社の同僚たちを演じていただいたのは、創太郎さんMeriiさんです。
お二人は、普段はモデルとして活躍しているので、雑誌等でご存知の方も多いかもしれません。

創太郎さんのプロフィールは、こちらから。
http://www.jungle-tokyo.com/member/so-taro.html

Meriiさんのプロフィールは、こちら。
http://www.jungle-tokyo.com/member/merii.html

創太郎さんは、塩屋俊アクターズクリニックで「NEIGHBORHOOD PLAYHOUSE」メソッド演技を学び2年間のカリキュラムを終了。俳優としての一歩を踏み出したばかりです。
Meriiさんも、モデルさん。とても可愛らしい方です。CMでお芝居を経験した事で、もっと映像のお芝居に興味を持ち始めたそうです。公開初日には監督にお花を持って駆けつけて下さいました。皆さんと一緒に作品をご覧になったので、気付いた方もいらしたかもしれません。
お二人とも、出番は少しでしたが、とても楽しそうに現場に参加してくれました。
創太郎さんは、熱血漢です。打ち上げで、先輩であるARATAさんが話すのを、とても熱いまなざしで聞いていたのが印象的でした。
Meriiさんは、出番が終わっても、ずっと現場の隅で撮影を見つめていたのを覚えています。

お二人とも、また撮影現場でお会いしましょう!

佐々木敦さんからのコメント

sabaku_m2008-02-15

昨日の日記でイベント情報をアップしました。
みなさん、是非いらして下さい!!
その2/27(水)上映終了後のゲストである佐々木敦さんから、『砂の影』にいただいたコメントです。(このコメントはチラシに掲載されているものです)

ひとがひとりで、ひとがひとりひとりでいることの、個人的で根源的な、せつなさとさみしさ、そして、ひとがひとりでなくなること、ひとりでなくなれることへの、希望と、いとおしさと、つらさ。粗々しい、だが繊細極まる映像と、驚くべき、まさに驚くべき豊かさを湛えた音像、そして俳優たちのさりげない、だが濃密な演戯、その重なり合い、その只中から、ひとしなみではない感情が涌き上がる。甲斐田祐輔は、8ミリフィルムというアナクロでアナログな手段を敢て用いることによって、いわばジョン・カサベテス的世界の、ゼロ年代日本へのコンバートを実現した。

佐々木敦さん編集・発行のエクス・ポ」日記はこちら↓
FADERBYHEADZ.COM
エクス・ポ」は、このブログで【その時、渋谷では…】を連載していただいた戸塚泰雄さんがデザインを担当している雑誌です。


2/27(水)上映終了後
登壇ゲスト(予定):佐々木敦さん(headz主宰)、菊池信之さん(『砂の影』音響)、甲斐田祐輔監督
★菊池信之さんの映画に対する“音の構築”に関するトーク!!

『砂の影』の追加イベントが決定いたしました!

sabaku_m2008-02-14

砂の影』をもっと深く味わうには、オススメのイベントです!!

劇場でお待ちしています〜!

2/23(土)上映終了後
登壇ゲスト(予定)
甲斐田祐輔監督、江口のりこさん、ARATAさん


2/27(水)上映終了後
登壇ゲスト(予定)
佐々木敦さん(headz主宰)、菊池信之さん(『砂の影』音響)、甲斐田祐輔監督
★菊池信之さんの映画に対する“音の構築”に関するトーク!!


2/29(金)上映終了後
登壇ゲスト(予定)
長崎俊一監督(『闇打つ心臓』)、甲斐田祐輔監督、越川道夫さん(『砂の影』プロデューサー)
★『闇打つ心臓』との再会から出発した『砂の影』。
砂の影』と8ミリに関するトーク!!

原將人監督からメールが届きました!“8ミリ、あるいは映画の基本について”

sabaku_m2008-02-13


とても長い文章をいただきましたので、原將人監督のお言葉通り、掲載させて頂きます。
8ミリを、映画をもっと詳しく知るための、興味深い文章です。
ぜひ、読んでみてください。

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8ミリ、あるいは映画の基本について
                        原 將人

映画とは何か。
一義的には、マテリアルである。フィルムベースとフィルムベースに塗られた感光材、つまりフィルムの粒子である。
フィルムの粒子による現実の変容。点描画ならぬ粒子画。そして、粒子の運動。粒子の運動を24コマ×3(原子力マークのような3枚のシャッター羽根の1コマに対する運動)の映写機のフリッカーが視覚を愛撫し残像を作り出し、統合されたスクリーンが現出する。私たちの視覚は愛撫するようにそのスクリーンを見つめる。1秒間に72回の昼と夜。そこに映画の宇宙がある。
構図や、奥行き、運動、時間の変容。今までの映画をめぐる言説は、あまりにもマテリアルから遠いところで語られてきたような気がする。
映画の基本はマテリアルである。
映画の基本はマテリアルであり、何を(被写体あるいは客体)どう撮るか(主体)、被写体あるいはその被写体を写し撮るというリアリズムあるいは表現レベルでの、運動と時間の変容は、その後の問題だ。しかし、いわゆる批評家の言説はここから始まる。
だから、粒子レベルまで遡った、映画とは何かという問いに対する答えはどんな文献を探してもない。映画作家は映画について問う前に、映画を描くからだ。
おそらく、8ミリは、粒子が最も大きく、粒子画である映画の宇宙を最大限にアピールできる、作り手の視覚を愛撫してくれるメディアなのだ。粒子画ということに関して言うならば、8ミリが元祖で、16ミリ、35ミリとフィルムサイズが大きくなると、粒子画はベタ塗り化をたどるという逆説。(つまり8ミリが印象派ならば35ミリは中世の宗教画のようなものか。)映写の時、フォーカスをどう合わせるのか?考えてみればよく分かる。8ミリは粒子に合わせればそれでよく、35ミリの粒子は細かすぎて、被写体の輪郭で合わせねばならないというリアリズムの桎梏に付きまとわれる。
フィルムの粒子と粒状性の問題を、絵の具とキャンバスに絵の具を置いていく筆の関係になぞらえるのは、私が映画を撮りたい、映画を作りたいと思うときに、いつも使いたい絵の具とそれを筆先にのせていって定着したときの、イメージが先行するからだ。また、映画を見るとき、その映画の絵の具と筆遣い(粒子と粒状性のかもしだすトータルなイメージ)が目に飛び込んで、こういう色使いをしたいな、とか、こういう筆遣いをしたいな、と映画への欲望が喚起される。
私が初めて8ミリという筆と絵の具に出会ったのは、「初国知所之天皇」を作った時だ。8ミリに欲望がかき立てられたのではなく、16ミリで撮り始め中断していた映画を完成させるために、手軽な8ミリを使ったという、どちらかと言えば消極的な理由だ。そして、撮った8ミリの映像に触発され、欲望が喚起されるかたちで、完成へと向かっていった。
1960年代は、フィルムのカラー化と同時に8ミリの新方式(シングル8、スーパー8)ができた時代だ。そして、その新しい8ミリは、それまでの8ミリ(ダブル8もしくはレギュラー8)が16ミリフィルムを半分にして使っていたのとは違って、8ミリ専用に設計されたフィルムであり、しかも、マガジンに入っていて誰にでも扱えるフィルムだった。
このことは、19世紀のフランスでの印象派がチューブ入りの絵の具から始まったことを思わせる。それまで絵の具をアトリエから外へ持ち出すのは非常に手間暇の掛かることだったらしい。だから、画家たちは外では木炭スケッチだけで、アトリエに持ち帰って彩色作業をした。しかし、産業革命によって工業製品としてチューブ入りの絵の具が誕生したことは一気に、画家たちをアトリエから解放したと云う。モネは、アトリエを使わず、外で光の移ろいをライブで描いていた。
だから、マガジン入りの8ミリ(シングル8、スーパー8)は新しい印象派だ。
21世紀印象派だとも言っていい。デジタルの時代の今だからこそ、8ミリが印象派だということが分かる。モネの絵と8ミリ映像の質感を見比べればそのことが納得できる。


どの芸術も、それぞれ創造の主体に相応しい、自分の動詞を持っている。とゴダールは言っている。
描くは絵画。
楽しむは音楽(作曲し、歌う)。
書くは文学。
映画は撮ると映し出す。
だが、テレビはその動詞がない。番組を組むだけと。
ゴダールの言葉に触発されながら考える。映画は組むに近づいてしまっているのではないか。
そして、文学に学ではなく、楽を与えると、文楽になる。なぜか意味深いものを感じる。
そして、私は、映画にも楽を付けたいと思う。映画楽である。


デジタルの時代、映画がフィルムが不要になりだしている。
フィルムというマテリアルから切り離された時、映画がどうなるのか。フィルムが無くなるということをどう考えたらいいのか。フィルムが無くなっても映画と言えるのか。それをあえて映画と言うのか。(映画の死を受け入れるのか、と私は思ってしまう。)


人間と自然と関わってきた。狩猟文化から農耕文化に至る食文化の歴史を、未来へ向けて考えてみると分かりやすい。例えばチューブで栄養素だけ与えて、匂いや味は過去の記憶をもとに神経細胞にデータを送り込む近未来世界を想像してみよう。デジタル映像はそれに近い。スクリーンや撮像管がマテリアルであるとしても、それは皿だ。皿を前にした人に、匂いや味のデータが送られる。テレビがそうであるように。


集団体験と決められた時間。
リュミエール的映画の記憶がどこかに残る。


商品性(経済)あるいは社会性から映画を考える時、物語性が常に中心にいて、ドキュメンタリー性、スペクタクル性がそれを支える。
しかし、作り手にとって映画にとって本質的なものは、絵画性と音楽性だ。


映画の基本は絵画と音楽による時間のなかでの表現である。 

足立正生監督

sabaku_m2008-02-12

引き続き、キャスト紹介なのですが、今回、足立正生監督にもちょっとだけ出演して頂きました!
足立監督は、1939年生まれ。1960年代に、唐十郎大島渚らとともに時代を駆け抜け、『女学生ゲリラ』(若松プロ)や、永山則夫を題材にした『略称・連続射殺魔』を監督。大島渚監督作品『帰ってきたヨッパライ』『新宿泥棒日記』にも、共同脚本として参加。その後、若松孝二とともにパレスチナに渡りPFLP(パレスチナ人民解放戦線)と共闘し、アラブゲリラの日常を映した“運動の映画”としての金字塔的作品『赤軍PFLP・世界戦争宣言』を監督。“アングラの若き旗手”の名を欲しいままにした伝説的な映画監督です。
足立監督は、重信房子岡本公三らの日本赤軍に共鳴し、1974年にパレスチナ革命に参加。2000年に強制送還され、06年にじつに35年ぶりの新作となる田口トモロヲさん主演の『幽閉者』を監督されました。


足立さんのプロフィールは、こちらから。
http://www.prisoner-m.com/director.html


ARATAさん、それに岡部尚さんは、足立監督の『幽閉者』にも出演されています。

さて、ここでクイズです。
その足立監督なのですが、この映画のどこに出演されているでしょう?
答えは、本編をご覧になって確かめてみて下さい!!

ちなみに、足立監督は、こんな方です。

『幽閉者』の現場でのひとコマです。


撮影のたむらまさきさんとは同世代。かつては、新宿を舞台に酒場で顔を合わせては、やりあった仲とお見受けしました。現場でのお二人の対面は、久しぶりなのでしょうか。ちょっと照れたように挨拶をされていたのを覚えています。